2021年11月29日

腰痛のリハビリテーション

こんにちは。宇治病院リハビリテーション部です。

 

本日は腰痛についてお話ししたいと思います。

 

若年者から高齢者まで腰痛に悩まされる方は多いのではないでしょうか?

 

入院患者さんにおいても腰痛に悩まされている患者さんをたくさん経験してきました。

 

腰痛といいましても様々な原因があります。

 

大きく分けると、原因がはっきりと分かる腰痛原因がよく分からない腰痛に分けられます。

 

原因が分かる腰痛は特異的腰痛とも呼ばれています。

 

痛みと神経症状のある椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症や脊椎の圧迫骨折などが挙げられます。

 

X線やMRIなどの画像検査で原因が判明し、病名がきちんとつくという特徴があります。

 

実は原因のわかる腰痛は全体の約15%といわれており、残りの85%は画像検査などをしても原因が特定できない腰痛なのです。

 

全体の腰痛の85%は検査をしても原因が特定できない非特異的腰痛といわれています。

 

画像では特定できない筋肉や靭帯、関節などに原因があると考えられています。

 

筋肉が原因であれば過剰な筋活動による血流障害による痛みなどがあります。

 

肩こりのような痛みが似ていると思います。

 

靭帯であれば急激な伸張ストレスによる靭帯損傷があります。

 

いわゆるぎっくり腰がこれに当てはまるのではないかと言われています。

 

関節であれば脊柱の一部を過剰に動かしてしまうことによる痛みがあります。

 

これらは体の使い方、不良姿勢、筋肉の硬さやバランス不良が要因であるためストレッチや運動療法が有効です。

 

腰痛の原因は多岐にわたり、それぞれ対処法が異なります。

 

まずは、自身の腰痛がどういった原因なのか知ることが大切です。

 

特異的腰痛であれば早期に病院へ受診し、適切な治療を受けることが大切です。

 

本日は腰痛でも非特異的腰痛の種類と簡単なチェック方法をお伝えします。

 

早めに原因を知り、治療や予防していくことで症状の悪化を防ぐことができます。

 

症状が悪化すればするほど、その後の治療やリハビリが難航する可能性があります。

 

今回の記事を参考にして頂き、適切に対応し、腰痛で悩んでいる人を少しでも減らすことができれば幸いです。

 

 

 

左非特異的腰痛の特徴と見分けかた

 

筋・筋膜性疼痛の見分けかた

 

○特徴

疼痛部位:疼痛は背骨より外側の広い範囲(図1)で、片側又は両側に訴えることが多いです。

症状:長時間の座位や前屈みでの作業時に、背中に張り感や重い痛みなどが出現しやすいです。

 

 

○見分け方

立位又は座った状態での前屈み(図2)で痛みが出現する。

痛い筋肉の部分に対してテニスボールでグリグリ(図3)して痛みが一時的に軽減したら筋・筋膜性腰痛の可能性があります。

 

 

 

 

 

椎間板性腰痛

 

○特徴疼痛部位:背中の広い範囲で多くは中央に痛み(図4)を訴えることが多いです。

症状:長時間の座位や前屈みでの作業時に重い痛みが出現しやすいです。

 

○見分け方

立位又は座った状態での前屈み(図2)で痛みが出現しやすく、筋・筋膜性腰痛の見分け方と似ています。

しかし椎間板性腰痛は、痛い部分の筋肉を解して(図3)も痛みは変わらないことが多いので、痛みが変わらない場合は椎間板性腰痛の可能性があります。

 

 

椎間関節性腰痛

 

 

○特徴

疼痛部位:背中の狭い範囲で背骨又は背骨近く(図5)に鋭い痛みやずきっとした痛みを訴えることが多いです。

症状:体を反らした時に出現しやすいです。

 

○見分け方

体を反らした時(図6)に背中に疼痛が出現したら椎間関節性腰痛の可能性があります。

 

 

 

仙腸関節性腰痛

 

 

○特徴

疼痛部位:腰やお尻、鼠径部、脚と多岐に出現します。特にお尻周囲(図7)に疼痛を訴えることが多いです。

症状:痛みにより長時間座れない、仰向けで寝ころべない、片足立ちをすると痛みが強くなるなどです。

 

○見分け方

上記の特徴に加え、(図8)の検査で脚を曲げている方に痛みがでたら仙腸関節性腰痛の可能性があります。

 

 

 

 

いかがでしたか。本日は腰痛でも非特異的疼痛の特徴と簡単なチェック方法についてお話しさせて頂きました。

 

現在腰痛がある方はぜひ今回の記事を参考にして、自身の腰痛をチェックしてみて下さい。

 

基本的に非特異的腰痛は不良姿勢や普段の間違った体の使い方が原因となることが多いです。

 

ストレッチや運動をして身体を整えることが大切です。

 

今後、ストレッチなどについてリハビリブログでお話ししますのでぜひチェックしてみて下さい。

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