やってみようバランス評価
目次
こんにちは、宇治病院リハビリテーション部です。
転倒予防では欠かせないバランス能力。
病院のリハビリテーションにおいてもバランス訓練は頻繁に実施しています。
しかし、それ以前にバランス能力がどれ程あって、転倒する可能性がどこまであるかを
評価することも重要です。
前回の記事で転倒予防、バランス能力について詳しくご紹介していますので
よろしければご参照下さい。
今回は、前回紹介しきれなかったバランス評価について、詳しくご紹介させて頂きます。
病院や施設で働くセラピストにもご参考になればと思います。
特に「10m歩行」「TUG」は普段の臨床にも良く使用されていますのでチェックしてみて下さい。
すべての評価において転倒には十分注意して実施して下さい。
それではいってみましょう‼️
10m歩行
歩行に対して特化しており、簡易的で実施しやすいです。
開始場所は3m手前から行い、助走をつけます。
測定は2回行い、1回目は意識せず普通に歩きます。
2回目は速く歩くように指示します。
またどちらも歩数を測定しておきましょう。
普通に歩いて屋内であれば24秒、屋外であれば12秒を上回れば転倒する可能性が高いとされています。
当院では30秒を下回れば院内自立レベルとしています。
TUG(Timed Up&Go test)
立ち上がり動作・歩行動作・方向転換・着座動作のどこで危ないのか把握することができます。
椅子に座った状態で始めます。
開始の合図で立ち上がります。
3m前方にある支持物を回って再度、座っていた椅子に座るまでの時間を測定します。
左右1回ずつ実施します。
13.5秒以上であれば転倒する可能性が高いとされています。
当院では20秒以内であれば院内歩行を自立レベルとしています。
FRT(Functional reach test)
歩行との関連性が高く、簡易で測定時間が短いのが特徴です。
多くの病院・施設等で幅広く使用されています。
壁際にまっすぐ立ち、体を前方に倒し、手指をできるだけ遠くに伸ばした時の
中指(第3指)の位置が移動した距離を測定します。
壁際にまっすぐ立ち、壁側の腕を前に出します。
前に出した手の位置はそのままで
真っ直ぐ体を前方に倒します
腰が曲がっても大丈夫ですが
足が浮かないように注意して下さい
伸ばした指の中指(第3指)の位置が移動した距離を測定します
20㎝未満であれば転倒する可能性が高く、30㎝以上であれば転倒する可能性が低いとされています。
Four Square Step Test
杖などの低い障害物を越えて前後・左右に素早くステップをするスピードを測定する評価法となります。
障害物が家になければ、テープなどで代用して頂いても良いと思います。
難易度が高く、評価する上で困難な患者様が出てくる可能性もあります。
しかし、ステップ動作や方向転換などが必要であり、普段生活する上で必要なバランス能力が評価できます。
この評価自体がバランストレーニングにもなります。
測定方法としては①→②→③→④→③→②→①という進行順序で線を跨ぎます。
①がスタートポジションです
右足を②に向かって跨いでいきます
左足も跨いで②に到着です
後ろの③に向かって跨ぎます
反対の足も跨いで③に到着です
左足を④に向かって跨ぎます
反対の足も跨いで④に到着です
後は④から①に向かって順番に跨いでいきます。
逆回りですね。
線に触れることなく体の向きは変えず順序通りに移動して
両足をそれぞれの区画に必ず接地します。
15秒を上回れば転倒する可能性が高いとされています。
平均値は9秒~12秒とされています。
まとめ
様々なバランス評価をお伝えしましたがいかがでしたか。
10m歩行とTUGは本当によく使っています。
1度だけ評価して終わりにするのではなく定期的にチェックしてみて下さい。
自身の経過を追い、良くなっているのか、悪くなっているのかを知ることも重要です。
バランストレーニングに関しては前回の記事に紹介していますのでぜひ参考にして下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次回は猫背についてお話しさせて頂きます。
乞うご期待下さい‼️