RI検査について
放射性同位元素を含む薬品を血管内に注射します。
投与された薬品は、特定の臓器又は組織に取り込まれます。この薬品の放射性同位元素から放射線が放出されます。この放射線(ガンマ線)の量をシンチカメラ(ガンマカメラ)という装置を用いて計測し、コンピューターで処理をして画像を作ります。薬品により取り込まれる臓器や組織が異なりそれぞれ骨、脳、甲状腺、肺、心臓、肝臓、腎臓、などの状態(機能)を調べることができます。
主な検査と検査料金
検査名 | 検査目的 | 検査時間 | 検査料金 |
---|---|---|---|
骨シンチ | 全身の骨の病院気を検索 | 検査薬注射3時間後から開始 検査時間約30分 |
約54,000円 |
ガリウムシンチ | 全身の腫瘍、炎症の検査 | 検査薬注射3日後から開始 検査時間約45分 |
約58,000円 |
脳血流シンチ | 脳の血流状態を検査 | 検査薬注射後から開始 検査時間約35分 |
約70,000円 |
甲状腺シンチ | 甲状腺の形態、機能の検査 | 検査薬注射後から開始 検査時間約35分 |
約26,000円 |
心筋MIBGシンチ | 心臓やパーキンソン病の検査 | 検査薬注射後から開始 検査時間約30分間と3時間後 |
約63,000円 |
レノグラムシンチ | 腎臓の形態、機能の検査 | 検査薬注射後から開始 検査時間約30分 |
約43,000円 |
- ※検査料金及び下記の点数は変わることがあります。
RI検査の画像
- 心筋シンチ
-
心筋シンチでは心臓の血流分布と心臓の動きがわかります。
- 骨シンチ
-
心筋シンチでは心臓の血流分布と心臓の動きがわかります。
- 脳血流シンチ
-
脳血流シンチでは脳内の血流分布を画像として知る事ができます。また虚血や梗塞部位の位置がわかります。
RI検査の種類と前処置
- 1:ガリウム(67Ga)シンチグラフィー
- 2:骨シンチグラフィー
- 3:脳血流シンチグラフィー
- 4-1:123I使用の甲状腺シンチグラフィー
- 4-2:99mTc使用の甲状腺シンチグラフィー
- 5:唾液腺シンチグラフィー
- 6:肝アシアロシンチグラフィー
- 7:肝・胆道シンチグラフィー
- 8-1:レノグラム(動態)シンチグラフィー
- 8-2:腎(静態)シンチグラフィー
- 9-1:安静時心筋シンチグラフィー
- 9-2:心交感神経機能シンチグラフィー(心筋MIBG)
- 9-3:心筋脂肪酸代謝シンチグラフィー(心筋BMIPP)
ガリウム(67Ga)シンチグラフィー
効能・効果 |
67Ga-citrate(悪性腫瘍の診断)
67Ga-citrate(良性腫瘍の診断)
67Ga-citrate(炎症の診断) |
---|---|
使用薬品 | クエン酸67Ga 111MBq静注 |
撮像開始時間 | 注射3日後(72時間後)に撮像。 *67Ga注射時に撮像時間をRI室にて指定します。 |
前処置 | 撮像当日の朝必ず排便して下さい。 (撮像前日に下剤を投与、撮像当日の朝に便が出ない場合は浣腸にて排便させて下さい。外来の場合は注射日に下剤を渡し外来にて説明して下さい。) *注射日及び撮像日の食事制限は有りません。 |
前処置の目的 | 67Gaの腸内残存は排除 67Gaは便から排泄されるため大腸内に便が残存すると腸管と重なった部位の正確な撮像及び読影が不可能になります。 |
検査所要時間 | 約45分 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 全身撮像、SPECT撮像を行う。 |
検査点数 | 約5500点 |
骨シンチグラフィー
効能・効果 |
転移性骨腫瘍の診断(悪性腫瘍の骨転移巣検出率は95%以上と高い、前立腺、乳癌、肺癌、神経芽細胞腫などによる骨転移) 原発性骨腫瘍の診断、骨折、スポーツ外傷の診断、急性骨髄炎の診断(X線写真よりも早く検出可能である。) 関節炎の診断、骨移植の評価、軟部組織の病巣検出(横紋筋融解症,皮膚筋炎,脳梗塞,急性心筋梗塞) |
---|---|
使用薬品 | 99mTc−HMDP(MDP) 740MBq |
撮像開始時間 | 注射3時間以後に撮像 *注射時に撮像予定時間をRI室にて指定します。 |
前処置 | 撮像直前に必ず排尿して下さい。
|
前処置の目的 | 膀胱内の99mTcの排出 (排尿が不十分な場合は骨盤、股関節の病変は描出不可能な事があります。)
|
検査所要時間 | 約35分 仰臥位が長時間困難な方は3分間の収集(プラナー像)を5回に分けて全身の検査を行います。 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 全身撮像、プラナー撮像、SPECT撮像を行う。 |
検査点数 | 約5300点 |
脳血流シンチグラフィー
効能・効果 | モヤモヤ病の診断・SLE患者の脳血流状態の把握・アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆との鑑別動静脈奇形 |
---|---|
使用薬品 | 123I−IMP 167MBq静注 |
撮像開始時間 | 注射と同時に撮像開始 |
前処置 | 撮像前に安静を保つ。食事の制限はありません。 |
前処置の目的 | 脳内の血流状態を安定させるため。 |
検査所要時間 | 約40分 |
撮像方法 | SPECTベッドに仰臥位になってもらう。 注射と同時にダイナミック撮像、その後SPECT撮像を行う。 |
検査点数 | 約6800点 |
123I使用の甲状腺シンチグラフィー
効能・効果 | 甲状腺の形態診断、異所性甲状腺の診断、甲状腺腫瘍の診断、甲状腺重量の算出。 |
---|---|
使用薬品 | 123I—カプセル 11.1MBq経口投与 |
撮像開始時間 | 経口後3時間、6時間の撮像と摂取率測定 |
前処置 |
ヨードの摂取制限
|
前処置の目的 | ヨード制限が不十分な場合、摂取率が不正確になります。外来患者さんの場合は”検査前1週間は海草類を食べないで下さい。と予約書に書き加えて下さい。 |
検査所要時間 | 約1時間 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 頚部前面からプラナー像の撮像をする。 |
検査点数 | 約3000点 |
99mTc使用の甲状腺シンチグラフィー
効能・効果 | 甲状腺機能亢進症、び慢性甲状腺腫、甲状腺腫瘍など。 |
---|---|
使用薬品 | 99mTcO4− 185MBq |
撮像開始時間 | 注射30分後撮像及び摂取率測定 |
前処置 | 特になし |
前処置の目的 | ヨード制限が不十分な場合、摂取率が不正確になります。外来患者さんの場合は”検査前1週間は海草類を食べないで下さい。と予約書に書き加えて下さい。 |
検査所要時間 | 約40分 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 頚部前面からプラナー像の撮像をする。 |
検査点数 | 約3000点 |
唾液腺シンチグラフィー
効能・効果 | 唾液分泌の評価、唾液腺腫瘍の診断 |
---|---|
使用薬品 | 99mTco4− 185MBq |
撮像開始時間 | 注射と同時に撮像開始 |
前処置 | 特になし |
前処置の目的 | ヨード制限が不十分な場合、摂取率が不正確になります。外来患者さんの場合は”検査前1週間は海草類を食べないで下さい。と予約書に書き加えて下さい。 |
検査所要時間 | 約60分 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 頚部前面から時間毎の像を撮像する。 途中レモン3,4切れ食べてもらう。 |
検査点数 | 約3300点 |
肝アシアロシンチグラフィー
効能・効果 | ASGP受容体を介した肝機能の評価とその重症度判定 |
---|---|
使用薬品 | 99mTc−GSA 185MBq |
撮像開始時間 | 注射と同時に撮像開始 |
前処置 | 特になし |
検査所要時間 | 約60分 |
撮像方法 | SPECTベッドに仰臥位になってもらう。 注射と同時にダイナミック撮像、その後SPECT撮像を行う。 |
検査点数 | 約3800点 |
特記 | アシアロ糖タンパク質が肝細胞に摂取されることを利用し、肝細胞量を反映する情報と肝臓の形態をイメージングすることで得られる検査です。本剤は肝細胞量を評価し得る肝予備能診断法である。 |
肝・胆道シンチグラフィー
効能・効果 | 肝内胆汁うっ帯と肝外胆道閉塞の鑑別 |
---|---|
使用薬品 | 99mTc−PMT 185MBq |
撮像開始時間 | 注射と同時に撮像開始 |
前処置 | 絶食(朝食抜き) |
前処置の目的 | 肝血流を平常状態とし、胆嚢の収縮を避けるため |
検査所要時間 | 約60分~120分 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 注射と同時に腹部前面から時間毎の像を撮像する。 |
検査点数 | 約3700点 |
レノグラム(動態)シンチグラフィー
効能・効果 | 腎機能評価、分腎機能の評価 |
---|---|
使用薬品 | 99mTc−MAG3 222MBq |
撮像開始時間 | 注射と同時に撮像開始 |
前処置 |
検査30分前に排尿後、水300mlを飲ませる。 点滴終了直後の場合は、水は飲まなくて構いません。 |
前処置の目的 | 腎の脱水状態をなくすため。 |
検査所要時間 | 約30分 |
撮像方法 | 検査用ベッドに仰臥位になってもらう。 注射と同時に腹部後面からダイナミック像と時間毎の像を撮像する。 RPF(有効腎血しょう流量)の測定 |
検査点数 | 約4500点 |
腎(静態)シンチグラフィー
効能・効果 | |
---|---|
使用薬品 | 99mTc−DMSA 185MBq |
撮像開始時間 | 注射より2時間後に撮像開始 |
前処置 | 特になし |
検査所要時間 | 約40分 |
撮像方法 | 検査用ベッドに腹臥位になってもらう。 腹部後面からプラナー像を撮像する。 その後仰臥位にてSPECT像を撮像する。 |
検査点数 | 約3600点 |
安静時心筋シンチグラフィー
効能・効果 | 心筋梗塞の診断 |
---|---|
使用薬品 | 201TlClの場合 111MBq 99mTc−Tetrofosuminの場合 592MBq |
撮像開始時間 | Tlの場合 静注、5分後に撮像。3時間後にも撮像。 99mTcの場合 静注、30分から60分後に撮像 |
前処置 |
Tl検査は4時間以上前から検査終了まで絶飲食(水、お茶は少しならOK) 99mTcの場合は食事制限はありません。(食事はしていただいてかまいません。) |
前処置の目的 | 腸管血流が増加しないように |
検査所要時間 | 約40分 |
撮像方法 | SPECT用ベッドに仰臥位になってもらう。 SPECT像を撮像する。 SPECT終了後、胸部のプラナー像を撮像する。(TlClの撮像の時のみ) |
検査点数 | 約7200点 |
心交感神経機能シンチグラフィー(心筋MIBG)
効能・効果 | 心疾患の診断、パーキンソン症状の原因疾患の鑑別 |
---|---|
使用薬品 | 123I−MIBG 111MBq |
撮像開始時間 | 静注、15分後に撮像。3時間後にも撮像。 |
前処置 | 特になし |
前処置の目的 | a)11−1と同様 |
検査所要時間 | 約45分 |
撮像方法 | プラナー像を撮像する。 SPECT像を撮像する。 |
検査点数 | 約6200点 |
特記 | 心臓には交感神経が豊富に分布しており心交感神経は副交感神経とともに、自律神経系の循環調節に重要な役割を果たしている。 主な集積機構として心交感神経終末のノルエピネフリン貯蔵顆粒への取り込みを推定し123I−MIBGを用いた心イメージングによる心筋内カテコールアミンの定量的評価が可能である。 123I−MIBGは心筋梗塞、狭心症及び心筋症などの心疾患の心臓の局所または全体的な交感神経支配の喪失(denervation)・回復(reinnervation)を検出でき、従来の検査法では得られなかった心交感神経機能に関する画像情報が得られる。パーキンソン症状の原因疾患の鑑別。 |
心筋脂肪酸代謝シンチグラフィー(心筋BMIPP)
効能・効果 | 肪酸代謝シンチグラフィーによる心疾患の診断 |
---|---|
使用薬品 | 123I−BMIPP 111MBq |
撮像開始時間 | 静注、15分後に撮像。3時間後にも撮像。 |
前処置 | 検査当日の朝から検査終了まで絶飲食(水、お茶は少しならOK) |
前処置の目的 | a)11−1と同様 |
検査所要時間 | 約45分 |
撮像方法 | SPECT用ベッドに仰臥位になってもらう。 SPECT像を撮像する。 SPECT終了後、プラナー像を撮像する。 |
検査点数 | 約5700点 |
特記 | 安静時においては虚血性心疾患では相対的早期心筋内分布は比較的長時間保たれるが心筋症特にHCMでは比較的多くの症例で”Washout”や”Fill-in”がみられる。 いずれの心疾患群においても約半数の症例で201Tlより著しい集積低下がみられ、特に亜急性期のAMIやHCMで高頻度である。 *各種心疾患において201Tlとは異なる心筋脂肪酸代謝を反映した情報が得られる。 |
上記に掲載していない検査についてはお問合せください。